
なぜM&Aなのか?|中小企業経営者のためのM&A完全ガイド徹底解説1
第1部:なぜM&Aか?

M&Aは大企業だけのもの」と考える経営者も少なくありません。しかし近年では、中小企業にとってもM&Aは有力な選択肢となっています。特に経営者の高齢化や後継者不在といった課題が深刻化する中、M&Aは会社を未来へつなぐ手段として注目されています。
帝国データバンクの調査によれば、日本の中小企業の6割以上が「後継者未定」と回答しています。これまでのように親族や従業員への事業承継が難しいケースが増える中、M&Aによる事業承継は現実的で効果的な解決策となっているのです。
なぜ企業はM&Aをするのか?
M&Aは単なる「会社の売買」ではなく、売り手と買い手の双方にとってのメリットを創出する経営戦略です。ここでは、一般的な理由と併せて、北海道におけるM&Aの実績・傾向を具体的な数字で示して、地元企業の視点を交えて解説します。
M&Aを選ぶ主な理由
- 後継者問題の解決:後継者が不在でもM&Aで事業を存続できる
- 事業拡大・成長戦略:新市場・地域へ即時参入できる
- 資金回収:オーナー社長が株式売却によってリタイア資金を確保
- 従業員の雇用確保:成長企業や大手に引き継がれることで社員の安心を維持
- 経営リスクの分散:事業縮小や競争激化のリスクをグループで吸収可能
M&Aはこうした「守り」と「攻め」の両輪を兼ね備えた戦略です。
北海道におけるM&A実績・傾向
以下は、北海道地域で報告されている主要な実績と傾向です:
項目 | 数値 / 内容 | 出典 |
---|---|---|
過去8年間(2015–2023年)の成約件数 | 350件超 | 北海道の事業承継・M&A動向・成約事例より 日本M&Aセンター |
2023年の北海道での成約件数 | 54件 | 同上 日本M&Aセンター |
北海道での過去5年間にM&Aを実施した企業割合 | 9.9 % | 帝国データバンクの道内意識調査より TDB |
北海道における後継者不在率 | 約 65.7 %(2024年時点) | 帝国データバンク「後継者不在率」報告より TDB |
北海道内 M&A仲介会社の成約実績 | 200件超 | ストライク社の北海道実績(設立以来) ストライク |
これらの数字から、次のようなことが読み取れます。
- 北海道では長期間にわたり、中小企業を中心にM&Aが着実に行われてきた
- 道内企業の後継者不在率が高く、M&Aは事業承継の実態的な解決策として現実味を帯びている
- 地域によっては仲介会社も増加しており、M&Aの支援体制も整いつつある
実際の事例としては、道内の水産加工企業の買収や、札幌市近傍企業の統合、地域の小売チェーンの店舗統合などが報じられています。
北海道実績を踏まえたメッセージ
北海道では、全国と比べても M&A件数が全国6番目に活発な地域 とされる報道もあります。 日本M&Aセンター
つまり、北海道の経営者にとって M&A は「遠い選択肢」ではなく、既に実践されている有力な選択肢なのです。
地元企業の実態を把握したうえで、自社の規模・業種・地域特性を勘案しながら、M&Aを将来戦略の一つとして検討する価値は十分にあります。環」としても活用されています。
許可制事業におけるM&Aのメリット
建設業や産業廃棄物処理業、運送業などの許可制事業では、M&Aの効果はさらに大きくなります。新規参入には行政の許可や多額の投資が必要なため、ゼロから始めるのは容易ではありません。
そこで、既に許可を保有している企業を買収することで、時間とコストを大幅に削減できます。さらに、許可と同時に人材やノウハウ、顧客基盤を引き継げるため、事業の立ち上がりをスムーズに進められるのです。
まとめ:M&Aは「攻め」と「守り」の戦略
中小企業にとってM&Aは、単なる会社売却ではありません。攻めの戦略(成長・事業拡大)と守りの戦略(後継者問題解決・雇用維持)の両面を兼ね備えた手段です。
今後の経営環境を考えれば、M&Aは会社と従業員を未来へつなぐ有力な選択肢となります。次章では、M&Aを成功させるために欠かせない「適正価格の算定」と「デューデリジェンス(買収調査)」について解説します。
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