ソーラーパネルの今後 2

ソーラーパネルについて、その廃棄処理方法と再利用について、2回に分けて説明します。

目次

ソーラーパネルの再利用・リサイクル方法|廃棄から再資源化まで解説

再生可能エネルギーの普及により、住宅や産業用のソーラーパネルが全国各地に設置されています。一方で、ソーラーパネルの寿命は一般的に20〜30年とされ、今後は大量の廃棄パネルが発生すると予測されています。本記事では、ソーラーパネルの廃棄と主要な材料の再利用・リサイクル方法をわかりやすく解説します。

ソーラーパネルの寿命と廃棄の現状

ソーラーパネルは長期間使用できますが、経年劣化により発電効率が低下します。メーカー保証期間(多くは25年前後)が切れるタイミングや、自然災害による破損、設備更新によって交換・廃棄が発生します。産業用パネルは多くの場合「産業廃棄物」として処理され、家庭用パネルは自治体の規定により「一般廃棄物」として扱われる場合もあります。適正処理と資源循環を両立させるため、廃棄計画とリサイクルの検討が重要です。

材料別の再利用方法

アルミニウムフレーム

外枠に使用されるアルミニウムは取り外しが容易で、既存の金属リサイクルルートを活用して高効率に再資源化できます。回収された再生アルミは建築資材や各種工業製品の原料として活用されます。

強化ガラス

パネル表面の強化ガラスは破砕後、ガラスカレットとして再利用されます。用途は断熱材や建材などが中心ですが、品質の均一性や混入物管理が求められるため、リサイクル用途の拡大には技術開発が期待されています。

シリコンセル

発電を担うシリコンセルは、高温処理や化学処理で不純物を除去し、再び太陽電池や半導体用の素材として再生が可能です。現状ではコスト・分離技術に課題が残るため、低コスト化や高純度回収技術の確立が鍵となります。

金属電極(銀・銅など)

内部配線や電極に含まれる銀・銅などの金属は価値が高く、溶融や化学溶解による回収が行われます。特に銀は市場価値が高いため、資源循環・都市鉱山の観点からも積極的な回収が推奨されます。

封止材・バックシート(EVA樹脂等)

EVA樹脂やバックシートなどの有機素材は再利用が難しく、現状は焼却や熱分解が主流です。環境負荷の低減に向け、代替素材の採用や材料分離技術の研究・実装が進められています。

再利用を進めるための課題と展望

設計段階からのリサイクル配慮として、解体・分別が容易な構造設計や素材選定が求められます。また、リサイクル技術の開発では、シリコンや有機素材の低コスト・高純度回収が重要課題です。さらに、回収・処理体制の整備においては、国・自治体・メーカー・処理業者が連携し、広域的な資源循環ネットワークとデータに基づくトレーサビリティの確立が不可欠です。

まとめ

寿命を迎えたソーラーパネルであっても、アルミニウム、ガラス、シリコン、銀・銅など多くの構成材料は再利用・リサイクルが可能です。適切な分別と再資源化プロセスを通じて、環境負荷を抑えつつ資源の有効活用を実現できます。再生可能エネルギーの持続可能性を高めるために、廃棄段階を見据えた設計・回収・処理の一体的な取り組みを進めていきましょう。

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