
石川県で見た循環ビジネスの最前線
~環境コンサル行政書士法人 若月の出張記~
環境コンサル行政書士法人の若月です。
2025年9月17日から19日まで、石川県に出張してまいりました。目的は、県内のリサイクル関連事業者を訪問し、現場の取り組みを学ぶことです。
■ 出発 ― 新千歳から小松へ
石川県へは、新千歳~小松空港を結ぶ一日一便のフライトで向かいました。
17日夕方、満を持して小松に到着。レンタカーを借りて金沢へ。
お客様と合流し、翌日の予定を確認しながら、片町の居酒屋で地元料理を楽しみました。旅の緊張が少しほぐれる、心地よい夜でした。

■ 1件目 ―ワールドワイドな自動車リサイクルの世界
翌18日は雨。
最初に訪問したのは、自動車リサイクルを手掛ける「会宝産業」様です。
第一印象は——とにかくスケールが大きい。
それでいて、どの取り組みも実にユニークでした。
日本製の車は性能・耐久性ともに高く、海外で非常に人気があるとのこと。その強みを最大限に活かすため、海外に複数の拠点を構え、さらには自動車のオークションまで自社で主宰。まさに“攻めのリサイクルビジネス”を体現していました。
環境活動にも力を入れており、廃油を再利用した温室での農作物栽培や、地域祭りの主催など、地域貢献にも積極的。
社員の方々のホスピタリティも素晴らしく、挨拶や整理整頓が徹底され、企業文化の質の高さを感じました。まさに「環境と人が調和する職場」でした。
■ 2件目 ― 建設から生まれる再資源化の知恵
続いて訪問したのは、「田中建設」様。
廃棄物となる石膏や牡蠣殻を再利用し、再生コンクリート固化剤などを製造する会社です。
一般的に、家屋解体で出る石膏はクロスを剥離したのち、酸性土壌を中和する改良剤として使われます。
しかし同社では、独自設計の施設を開発し、建設現場で使える再生資材として蘇らせるという新たなリサイクルルートを確立していました。
さらに素晴らしいのは、その資材の活用ルートまで自社で完結している点。
建設業が起源の企業だからこそ、自社施工現場で再生材を使い、取引先にも販売するという、まさに“循環の輪”を社内で完結させていました。
■ 学びと感謝
今回訪問した2社は、業種もアプローチも異なりますが、共通していたのは「独自のビジネスモデル」と「社会課題への真摯な姿勢」。
それぞれの現場で、循環型社会の実現に向けた確かな挑戦を感じました。
改めて、貴重な見学の機会をいただいた皆さまに心より感謝申し上げます。
■ 余談 ― コマツの杜にて
訪問の合間には、コマツの杜にも立ち寄りました。
タイヤだけで全長4m近くある重機を前にすると、人間の創造力のスケールに圧倒されます。
環境と産業、その両立を支える技術の力を改めて感じた瞬間でした。

■ まとめ
今回の出張を通じて、「現場には学びがある」という原点を再確認しました。
持続可能な社会の実現は、法律や制度だけでなく、現場の創意工夫と情熱によって支えられています。
私たち行政書士も、その挑戦を支えるパートナーであり続けたい——そう感じた三日間の旅でした。
