
関係法令の許可を見落とし、違法状態になる|処理施設設置時によくある失敗⑤
関係法令の許可を見落とし、違法状態に陥るリスクについて
産業廃棄物処理施設を設置する際には、廃掃法だけでなく、建築基準法や都市計画法など、複数の法令にまたがる許可が必要となります。ここで怖いのは、必要な許認可を取得しないまま手続きを進めてしまうケースです。
実際に起きた「無許可建築」の例
「そんなことが本当にあるのか?」と思う方もいるかもしれません。しかし現実には、これまでにも違法状態に陥った事例が存在します。
近年、大きく取り上げられたのは、札幌市のノースサファリの一件です。市街化調整区域で都市計画法に基づく許可を得ずに開発行為を行い、市から除却命令が下されました。
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施工会社によってはこうした案内が十分になされていないのか、違法建築が生じてしまうことも少なくありません。
違法状態では新たな許可は下りない
当然ですが、違法状態のある事業場では新規許可を取得できません。まずは違法部分の是正を求められます。
例えば、職員控室や事務所が違法建築物に該当していれば、それらをすべて除却しなければ新たな設備投資は認められません。

設置が容易で利便性の高いコンテナも、大きさによっては建築基準法上の「建造物」に該当する。
さらに深刻なのは、もし処理施設そのものを許可なしに設置・稼働した場合です。この場合は除却命令だけでなく、廃掃法の罰則規定により許可取り消しなどの行政処分に発展する可能性があります。
なぜこうしたトラブルが起きるのか
多くは、事業者が単独で申請手続きを進めてしまった場合に発生します。関係法令の複雑さを十分に把握できず、思わぬ落とし穴にはまってしまうのです。行政機関は縦割り構造になっているため、部署間でコミュニケーションを取り合う構造になっておらず、他部署の管轄についてまで案内をもらうことができずにそのまま手続きを進めてしまうといったこともよくある事例です。
予防策は「専門家との連携」
こうした事態を避ける最善策は、専門家とタッグを組むことです。事業場のレイアウトを検討する段階から相談することで、後から違法状態に気づくリスクを未然に防げます。
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