
行政書士法改正×北海道の産廃業界(2026)—実務と罰則強化の要点
2026年1月1日施行の行政書士法改正により、無資格者による書類作成や名目を変えた報酬取得への規制が強化された。北海道の産業廃棄物処理業界の最新データをもとに、改正前後の違い、実務上の影響、事業者が直面する課題、行政書士に相談するメリットを詳しく解説する。
1. 北海道×産業廃棄物処理業界の現状
1-1. 北海道の産業廃棄物処理業者数
北海道内の産業廃棄物処理業者数は、2024年度時点で5,602業者(収集運搬業・処分業・特別管理産業廃棄物処理業者を含む)とされている。全国的に見ても事業者数が多く、許可の新規取得よりも「変更・更新・届出」実務が膨大である点が北海道の特徴である。
1-2. 処理フローと再資源化の進展
北海道の産業廃棄物処理状況(2021年度)では、再生利用量約61%、中間処理による減量化約37%、最終処分量約2%とされている。再資源化や高度選別が進むほど、処理工程・設備・委託契約が複雑化し、許可条件・変更手続・行政対応の重要性が高まる。
1-3. 不法投棄の現状
2024年度に全国で新たに判明した不法投棄は106件・約1.4万トン。件数・量ともに大幅な減少傾向ではあるものの、不法投棄が完全に解消されたわけではなく、排出事業者・処理業者双方に「説明責任」と「書類管理」が強く求められる状況が続いている。
2. 改定前(2025年まで)の行政書士法に基づく産廃業界の実務状況
2-1. 産廃業界は「変更・届出」が中心の業界
産業廃棄物処理業では、次のような変更・付随手続が頻繁に発生する。これらは単なる事務作業ではなく、事業継続や操業開始時期に直結する重要業務である。
- 車両・役員・営業所・積替保管の有無の変更
- 処理施設の更新・能力変更・配置変更
- 委託契約書の整備、マニフェスト運用の見直し
- 行政からの照会・補正・追加資料対応
2-2. 誰が書類を作っているのか曖昧になりやすい産廃業界の実態
産廃業界では、関係者が多く、専門性も高いため、「誰が官公署提出書類を作成しているのか」が曖昧になりやすい構造がある。
【実際によくある3パターン】
- パターン①:コンサルタントや設備業者が、「サポートの一環」「参考資料の提供」という形で、実質的に申請書本文を作成している。
- パターン②:事業者の総務担当者が、外部から指示や下書きを受け取り、形式的に「自社作成」として提出している。
- パターン③:測量・設計・施工会社の成果物(図面・仕様書)と申請書本文が混在し、どこまでが技術資料で、どこからが官公署提出書類なのか整理されていない。
改定前は、これらのケースが「グレーゾーン」として黙認されてきた面があった。
3. 行政書士法改正(2026年1月1日施行)の概要
2026年1月1日施行の行政書士法改正では、以下の点が明確化・強化された。特に産廃業界に影響が大きいのは、後半2点である。
- 行政書士の使命・職責の明文化
- デジタル社会への対応(ICT活用の方向性整理)
- 無資格者による業務の制限強化と罰則整備
- 両罰規定の明確化(個人だけでなく法人も処罰対象)
4. 改定前と改定後の比較(実務に効くポイント)
4-1. 「コンサル料」「手数料」でも通用しなくなった報酬の考え方
改正後は、「いかなる名目であっても、対価を得て書類作成を行えば業務制限に該当し得る」という考え方がより明確になった。
【改正後にリスクが高い請求例】
- 「許可取得支援コンサルティング費用」
- 「申請サポート一式」「手続支援料」
- 「書類チェック・修正費用(実質作成を含む場合)」
- 「設備導入支援費に申請書作成が含まれているケース」
名目上はコンサル料や手数料であっても、実態として官公署提出書類の作成を行っていれば、問題視される可能性が高い。
4-2. 両罰規定による法人リスクの顕在化
改正により、違反行為を行った個人だけでなく、その者が所属する法人も処罰対象となり得ることが明確になった。支店・現場・協力会社を含む体制では、管理不十分がそのまま経営リスクになる。
5. 改正後、もっとも強化されたポイント
無資格者による書類作成を「名目」で逃がさず、法人も処罰対象とした点
これにより、産廃業界では、外注スキーム・社内分業体制・請求や契約の整理を、根本から見直す必要が生じている。
6. 産廃業界(北海道)の事業者が直面する課題
- 外注契約の再点検(書類作成が含まれていないか)
- DX・BPO導入による分業化と法令遵守の両立
- 行政・金融機関・地域社会への説明責任の増大
7. 行政書士に相談するメリット
7-1. 法人リスクを構造的に低減できる
行政書士に正式に依頼することで、書類作成主体が明確になり、違反リスクを回避しやすくなる。
7-2. 手戻り・遅延コストを抑えられる
補正や差戻しによる操業遅延は、売上・資金繰りに直結する。専門家関与は、時間と信用を守る投資である。
7-3. 関係者が多い産廃案件を整理できる
技術資料と申請書類の線引きを明確にし、事業者が本業に集中できる体制を整えられる。
8. 実務対応チェックリスト(北海道の産廃事業者向け)
- 誰が申請書本文を作成しているか棚卸し
- 契約書・請求書の名目確認
- 社内・外注先へのルール周知
- 早期段階での行政書士への相談


