処理施設設置時によくある失敗① 土地購入で失敗しないコツ/不動産業者に任せきりは危険

環境コンサル行政書士法人の若月です。

日々、産廃処理場の設置に関するご相談を頂く中で、残念ながら実現に至らないケースがあります。そういったケースはどのような原因で起こるのか。今回はそんな中でも良くあるパターンを複数回に分けていくつかご紹介します。

買った土地で事業を開始できないケースに注意

産業廃棄物処理場を開設する際に重要なのは、住宅や商業施設が周囲に存在しない地域を選ぶことです。
処理施設は振動・騒音・悪臭などを発生させるリスクがあるため、いわゆる「迷惑施設」と見なされやすい性質を持っています。そのため、近隣住民や商業施設が少ない場所ほど運営しやすいと言えます。さらに、都市部から過度に離れていない場所であれば運搬コストも抑えられるため、理想的な立地条件と考えられるでしょう。

しかし、条件の良い土地を見つけても即購入するのは危険です。大きな落とし穴となるのが「用途地域」です。

用途地域と法令上の制約

日本の土地利用は都市計画法によって定められており、たとえば「市街化区域(積極的に開発を進めるエリア)」や「市街化調整区域(開発を抑制するエリア)」があります。
先に述べた「人気が少なく都市部から近い地域」は、しばしば市街化調整区域に該当します。

このようなエリアで処理場を作ろうとすると、産業廃棄物処理法による許認可に加えて、都市計画法上の開発許可、さらに場合によっては建築基準法第51条ただし書き許可なども必要となり、手続きの難易度が一気に高まることがあります。

もちろん、市街化調整区域だからといって、許可取得が不可能ではありません。しかし、実現の可否を見極めるには、役所の都市計画課と連携した綿密な法令調査が不可欠です。

不動産業者任せのリスク

土地購入の際には一般的に不動産業者へ相談することになります。不動産業者は宅地建物取引士として都市計画法の基本知識は持っていますが、廃棄物処理法や建築基準法に精通している担当者は極めて少数です。悪意がなくても知識不足により、結果的に大きな被害を招くケースもあります。

したがって、産廃処理場の土地選定にあたっては、不動産業者だけに頼るのではなく、関連法令に精通した専門家をチームに加えることが不可欠です。

今回は、土地の選定に関する失敗パターンをご紹介しました。当社では、処理場設置の計画段階からご相談を承っております。土地選定や法令調査など、自社だけでは対応が難しいと感じられる場合は、ぜひ当社にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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