「コンクリートがれき」と「コンクリートくず」は別モノ!許可・保管・処理の違いを徹底解説

概要

「コンクリートがれき」と「コンクリートくず」は名前が似ていますが、産業廃棄物としての分類・処理手順・許可の種類が異なります。この記事では、混同による法令違反を防ぐため、現場での実例を交えながらわかりやすく解説します。


1. 導入:同じ“コンクリート”でも、扱いがまるで違う

「コンクリートくずも、コンクリートがれきも、どうせ同じコンクリートでしょ?」——そう思っている方は要注意です。実はこの2つ、排出工程・法的分類・処理方法・許可区分のすべてが異なります。区別を誤ると、たとえ善意で受け入れたとしても無許可処理に該当する可能性があります。本記事では、よく混同される両者の違いを、現場実務と法的枠組みの両面から整理します。

2. 定義の違いを明確に理解する

コンクリートがれきとは

  • 発生源:建物の解体など、建設・解体現場の構造物由来のコンクリート片
  • 法的区分:廃棄物処理法施行令第2条第13号のがれき類
  • 主な排出業種:建設業、解体業
  • 典型的な処理:破砕・選別・再生砕石化

コンクリートくずとは

  • 発生源:コンクリート製品工場など、製造工程由来の不良品・残渣・スラッジ
  • 法的区分無機性汚泥または鉱さいなど(ケースにより異なる)
  • 主な排出業種:コンクリート製品製造業
  • 典型的な処理:含水率・成分分析、脱水・安定化処理、二次原料化

3. 許可の違いによる「処理の線引き」

処理業の許可は品目別。したがって、次のような線引きが必要です。

  • がれき類の処理業許可:建設系のコンクリートがれきを対象。
  • 無機性汚泥/鉱さいの処理業許可:工場発生のコンクリートくずを対象。

例: がれき類の許可しか持たない中間処理業者が工場のコンクリートくずを受け入れると、廃棄物処理法第14条違反の無許可処理となり得ます。

4. 保管場所を分けなければならない理由

同じ「コンクリート系」でも、混合保管はNGです。分別保管が必要な主な理由は次の3点です。

  1. 性状の違い:がれき類は鉄筋や塗装片が混入しやすく、くずは未硬化・高含水・微粉主体になりやすい。
  2. 責任と許可の違い:排出者・委託契約・許可品目が異なるため、帳票と現場が一致している必要がある。
  3. 再資源化ルートの違い:がれきは破砕→再生砕石、くずは分析→脱水→安定化と工程が異なる。

このため、ヤード・掲示・マニフェスト・契約書まで一貫して区別します。

5. 現場でよくある誤りと対策

よくある誤り

  • マニフェストの品目を一律に「がれき類」で発行してしまう。
  • 排出源(建設現場か工場か)を確認せず「コンクリート系」として一括受入れ。
  • 一時保管場所を共用して混合山にしてしまう。

対策

  1. 排出源のヒアリング:「建設・解体現場」か「製造工程」かを必ず確認。
  2. 正しい品目記載:マニフェストは「がれき類/無機性汚泥/鉱さい」等を厳密に。
  3. 分別保管と表示:ヤード区分、色違いラベル、誤投入防止の掲示を徹底。
  4. 委託契約の添付資料:品目定義表・受入基準・写真例を添付し、監査対応を強化。

6. 行政処分の実例・リスク

実例イメージ: がれき類のみの許可で、工場のコンクリートくずを受け入れた中間処理業者が、無許可処理として営業停止処分。法定刑は5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(法人は最大3億円)と重い。わずかな呼称の違いが、重大な経営リスクにつながります。

7. 判断のコツと相談先

  • 建物を壊して出た → がれき類
  • 工場で作って出た → コンクリートくず(無機性汚泥/鉱さい等)

迷った場合は、自治体の産廃担当課や、産廃専門の行政書士へ相談を。写真・性状・発生工程のメモがあると判断がスムーズです。

8. 図解:発生源別・コンクリート廃材の流れ

9. コラム:混ぜると再資源化が難しくなる理由

がれき類は異物(鉄筋・塗装片・木片)混入リスクが高く、くずは未硬化・高含水で品質ブレが大きい。混合すると再生砕石の強度・品質が不安定になり、道路材料などの適合性が低下します。ゆえに分別管理こそが最も費用対効果の高い品質保証策です。

10. まとめ:似ているようでまったく別の廃棄物

比較項目コンクリートがれきコンクリートくず
発生源建設・解体現場(構造物由来)製造工場(工程由来)
法的分類がれき類無機性汚泥/鉱さい 等
主な処理破砕・選別・再生砕石化分析・脱水・安定化・二次原料化
必要な許可がれき類処理業許可無機性汚泥/鉱さい処理業許可
保管がれき専用ヤード(掲示・区画)くず専用ヤード(掲示・区画)

11. 行政書士に相談するメリット

コンクリートがれきとコンクリートくずの違いは、単なる呼び名の問題ではありません。廃棄物処理法上の分類、許可区分、保管方法、契約内容、マニフェスト記載まで連動する、極めて実務的かつ法的なテーマです。

この分野で行政書士に相談するメリットは、次の点に集約されます。

① 分類ミスによる「無許可処理リスク」を未然に防げる

行政書士は、

  • 排出工程(建設か製造か)
  • 廃棄物の性状
  • 自治体ごとの運用解釈

を踏まえたうえで、正しい廃棄物区分を整理します。これにより、「がれき類の許可しかないのに、実態はコンクリートくずだった」といった後戻りできない違反リスクを事前に回避できます。

② 保管方法・ヤード区分を含めた実務設計まで支援できる

行政書士の役割は、机上の分類判断だけではありません。

  • がれき類とくずをどこで・どう分けて保管すべきか
  • 掲示物・表示内容は適切か
  • 現地確認時に行政から指摘されやすいポイントはどこか

といった、現場運用レベルでのアドバイスが可能です。結果として、立入検査や監査時にも説明が通りやすくなります。

③ 委託契約書・マニフェストの整合性を確保できる

コンクリート系廃材では、

  • 契約書:がれき類
  • マニフェスト:がれき類
  • 実際の中身:コンクリートくず

という「書類と実態の不一致」が非常に多く見られます。

行政書士が関与することで、

  • 委託契約書の品目整理
  • マニフェスト記載内容の是正
  • 必要に応じた契約書附属資料(品目定義表等)の作成

まで一体的に整えられ、書類リスクを大幅に低減できます。

④ 自治体ごとの運用差を踏まえた対応ができる

廃棄物処理法は全国共通ですが、実際の運用は自治体ごとに微妙な解釈差があります。

行政書士は、

  • 地元自治体の指導傾向
  • 過去の指摘

    推奨参考情報

    • 廃棄物処理法施行令 第2条(品目区分)
    • 環境省「産業廃棄物の分類ガイド」
    • 自治体の産業廃棄物処理業許可要綱(例:北海道)
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